久々に痺れた・・・
怒りで脳味噌が沸騰した・・・
店に行くのに最近は健康的に自転車を使用しているのだが、健康どころかストレスになってしまった。
今日、築地場外の門跡通りにある『どん○り市場』なる店があるのだがその前を通り過ぎようとしたらいきなり店員が出てきて、急ブレーキをかけるとお膳の上に載っていた味噌汁が俺にバシャッとかかった。
無論、物凄く熱い・・・
「大丈夫ですか?」と言われ、
「大丈夫じゃねーよ」と無論答える。
すると、俺のことはお構いなしにお客に出す商品を作り直した。
まぁ、ここまでは良い。俺も客商売やっているのだから気持ちは分る。
で、
汚い雑巾を持ってくるが、まず手前の胸にかかった染みを拭いてから、俺のスーツを拭くという考えられない行動をとるのである。
危うく怒りで呂律が回らなくなりそうになるのを堪え、必死に感情と論理を繋ぎ合わせようと気分を落ち着かせる・・・すると、
「自転車、歩道を走っちゃいけないんですよね」ときた。2秒ほど何も言えなくなり、臨界点ギリギリまで怒りが沸き上がる・・・
「もう一回言ってくれ?よく理解出来ない」と俺が言うと、
「自転車は歩道を走っちゃいけないんですよね」
もうダメだ・・・
怒りを押さえようと深呼吸をすると、奴は前掛けを外し、プチ戦闘状態に入ろうという仕草に入った。こっちも我慢する為に生きてる訳じゃないので脳内から『メーデー・メーデー』のサイレンが鳴り響き、早速自転車を降り、リアル・バーチャル・ファイターモード体勢になる俺。
『もうどうなってもいいや』状態になり、ワイドショー覚悟で前に一歩近づくと奴は180cmオーバーの無駄にデカイ体躯の俺を見上げる事になり、奴の顔色が一気に敗戦色濃厚になり、みるみる青ざめていくのが手に取る様に分った。
で、冷静に相手を見ると、奴は多分俺と同じ年か若しくは年下位で、体は痩せぎすで頭髪も手の施しようの無い原爆でも投下された様な状態で、前歯などはもう何年も磨いていない様な黄ばんだ色をしていた。何年も素人とはご無沙汰みたいな感じで貧相が黄色いポロシャツを着ている様な奴だった。
それを見て何故か知らないが、兄弟分の顔や国王の顔が目の前に浮かんだ。
『冷静に・・・』という文字が再び浮かび、握り締めた拳の力を緩めた。
「お前ここの経営者か?」
「違います」
「じゃぁ責任者に今すぐ電話しろ、そして呼べ」
「それは出来ません」
「だってお前謝罪する気ゼロだろが?」
「最初に謝りましたよ」
「・・・お前、なんだ?」
「だって大丈夫じゃないって言うから」
「当たりまえだろ!お前は頭オカシイのか?味噌汁かけられて問題無いなんて言えるのか?お前は俺の家族か?いや違う!家族だって揉めるだろうが!」
「・・・・・・・・」
「俺はなぁ、金よこせとかまだ一言も言ってないだろうが?こっちも銀座で店張って商売やってんだよ!筋道の話なんだよ!」
「俺も熱くて」
「お前、ガキみてーな知恵使ってんじゃねーよ!本気で出るとこ出るぞ」
「・・・・・・・・」
「俺はかけられてんだよ!海の香り満点のアサリ汁をよぉ!熱いんだよ!なのにお前は歩道がどうとか、自転車がどうとか、先に謝罪せーや」
「最初に謝りましたよ」
「話にならねぇ、兎に角責任者呼べ」
「それは出来ません」
「お前は、お前は狂ってんのか?」
「すいませんでした」
「なんでそれを真っ先に言えない?」
「俺も熱くて」
「それはさっき聞いた!」
「冷静に考えれば俺が悪いです」
「・・・だから、最初からそう言ってくれれば俺も事を荒げたくないんだよ。お前が逆の立場で味噌汁ぶっかけられて今のお前みたいに、歩道が自転車がとか、ほざかれたら頭来るだろうが?そうだろう?」
「冷静に考えればそうです」
「それもさっき聞いた!」
「すいませんでした」
「俺はここで飯食った事もあるんだよ。客商売やっててお前のその態度はどうなんだ?」
「悪いと思います。ただ・・・」
「ただ?・・・なんだこの野郎まだガタガタ言うか?」
「い、いや・・・ゆすられると思って・・・」
「俺はまだ何も金品の要求はしていない!!」
「はい、すいません・・・」
「最初から俺の体に味噌汁をかけた事をちゃんと謝ってくれりゃあ、それで事は済んだんだよ」
「すいませんでした」
「お前名前はなんだ?」
「○○です。この件は責任者に言っておきますので」
「分った。今度また食いに来るからな。俺も自転車気をつけるからよ、お前もちゃんとしろよ」
「すいませんでした」
味噌汁をぶっかけられ、性質の悪いチンピラだと思われ、相手に謝罪しろという行為を誘導させられ、最後には相手を励まし、一体俺は何なんだろうか?
唯一相手が幸運だったのは、俺が酒を呑んでなかった事だろう。
でも何?今って歩道を自転車に乗って走行しちゃいけないの?
そんな教育受けてないし、指導もされてないぞ!
しかし次回はキチンと酒呑んで『どん○り市場』に行って、奴が作る味噌汁を体ではなく口から味わいたいものだ・・・
ああ!、スーツがアサリ臭い!!
PS:この件を国王に報告したら、
「昔俺は飯場で味噌汁顔面にかけられた事がある」と言う、
「相手は謝りましたか?」と聞くと、
「顔洗って来い!と怒鳴られた・・・」
お後がよろしいようで・・・
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また吐いちゃった
by craphead
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