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肝臓ラヴリーナ

立川へ・・・

横浜にて初めて打ち上げにて他のバンドさんとお話させて貰った。

元来うちらは中打ちに出ても誰からも話しかけられず、ひたすら杯数を重ねて酔っ払うだけ・・・

「死ねば良いのに・・・」という言葉を積み重ねていたが、今回はロックの塊みたいな連中ばかりで楽しく呑んだ。

みんな良い人だったので酒も変な所に納まらず楽しかった。感謝します。

で、今日昼間のクソ寒いなかTHE BLACK 50の黒田氏がとある事情で入院をしていたのでお見舞いに行って来た。

「俺が貸してたジャンパーを返せ」とムチャクチャなメールが黒田氏から届いて行くのを躊躇っていた。

勿論返せない様な義理を黒田氏から受ける程俺はヤクザ者ではないので、ジャンパーは借りていない。

ただ、黒田氏と全く同じ色違いのジャンパーを持っていただけである。

黒田氏は何故か知らないが幼稚園児が積極的にお絵書きの時に使用する様なミドリ色のクレヨンみたいなどぎついジャンパーを購入していた。

無論そんな大胆な色選びなど出来ない俺は濃紺のジャンパーを購入したのだが、何処からかその情報が流失し、

「俺が貸してたジャンパーを返せ」となったのである・・・

要するに似合わないのか、他人から色々言われたのだろう。で、濃紺の同じデザインを持っている俺に、

「返せ」と相成った・・・

で、クソ寒い中、月島からバイクを飛ばして立川へ到着し、病室のある階に向かうエレベーターに乗った・・・

俺は想像していた・・・

病室からチンピラみたいな高笑いや聞くに堪えない卑猥な言語の連発が廊下に響き渡り、通り過ぎる看護士や患者達が嫌な臭いでもするかの様な部屋を避ける様な目で通り過ぎて行ってんだろうなぁ、と。

教えられた部屋番号をゆっくりとドキドキしながら歩を進めるが妙に静かなのである。

そして黒田氏がふんぞり返っているであろう部屋番号の前に立ち、15秒くらいジッとしていたが誰の声もしないので、

「タバコでも吸いに行っているのか?」と思い部屋に入り、黒田氏のベットの前に立つがカーテンで仕切られていて一瞬、

「まさか?」と思ったがヒョイと顔を出すと、甚兵衛か作務衣を着た黒田氏がパソコンをボ~っと見ていた。

「おはようございます」と言うと、黒田氏は型遅れのパソコンみたいな立ち上がりで、大分間があってから、

「いよぉ~」と言った。

期待していた大袈裟なギプスもなく足を吊っているわけでもなく、ただボンヤリと横になっていた。

「お見舞いです」と出来立てホヤホヤのZieNAのCDを渡す。

「これ、売り物?」と言うので、そうですと答えると何やら難しそうな表情になり何も言わずパソコンの横に置いた。

暫くギクシャクしたやりとりの中、折れた右足にチタンが埋め込まれた様を写したレントゲンと処置前のレントゲンを見せてくれたので、てっきり貰えるものだと思ったら、

「やらね~よ」と言われる。

で、もう2人だけのこの空間は地獄だと思っていたら、マキさんが登場。手にはスタバの紙袋。

「あぁ、コーヒー好きなんだ」と思っていたら、中にはマカロンが10個位入っていた。

「マキさんも人が悪いなぁ、こんな酒豪にマカロンなんて甘い物、しかも舶来物のお菓子なんて絶対食わないよ」と思っていたら、

「いやぁ、ありがとう」と物凄い笑顔になり、袋から嬉しそうにマカロンを出して色々確認していた。

「好きなんですか?マカロン?」と問うと、

「円盤みたいなやつ買って来てくれって言われたのよ」とマキさん。

「ほら、円盤みたいだろ~」とマカロンを手に取り俺に見せる黒田氏。俺は言葉がない。

「コーヒーでも飲みに行くか」と言われ、車椅子に乗る黒田氏。無論俺は車椅子を押したくて仕様が無いが、

「それだけはさせねぇ」と断られた。

手を使わず器用に自らの足を使いスピンターンとかしていた。

何でも道を譲らない他の患者には常にガンを飛ばして威嚇しているのだと言う・・・俺は言葉が無い。

で、見晴らしの良い病院の最上階の喫茶店で黒田氏はケーキセットをオーダー。

本当に甘い物が好きなんだと実感し、俺もケーキセットにする。

テーブルに運ばれたレア・チーズケーキをモノの数秒で胃の中へ収める黒田氏。俺は普段甘い物を滅多に食べないし無論食べきれないので、黒田氏に差し出すと、

「食い残しかよ」と言われるが蛇みたいに一口で半分残ったベイクド・チーズケーキを口の中に投入し飲み込んだ。

仕舞いにはマキさんの茹で玉子に視線が及び、

「食べないのか?」とか「あぁ、塩かけ過ぎだ!もっと玉子の味を楽しんで!」と言っていた。

リーゼント、革ジャン、サングラス、ハーレー、ロックンロール、空手、酒豪、殺人顔、と言う俺の脳味噌の中にセットされた黒田氏の単語がみるみる違う単語に組み替えられていく・・・

で、タバコを吸いに行こうとなり、エレベーターに乗り1階の誰も来ないような場所へ・・・

薄暗い壁の脇に申し訳なさそうに小さな灰皿が置いてあった。何でもここでしか喫煙出来ないらしい。

車椅子に座り携帯灰皿を片手に美味そうにタバコを噴かすイデタチは何故か絶望感が漂いワクワクさせる。

すると同室らしき30位の真面目っ子っぽい男性が大きな袋を二つ面倒臭そうにぶら下げながら近づいてくると、

「よ~××君」と声をかけて楽しそうに談笑していた。その様がどうしても病院には思えず刑務所ではなく、警察署の留置場での午前の運動の時間に見えてしまうのが可笑しくて腹筋が千切れそうになる。

ここでは書けない色々な話を聞いた。書いたら殺すって言われたので書かない。

隙をみて写メを撮ったら、載せたら殺すと言われたので載せません。

兎に角足以外は至って健康で、安心しました。

「毎日退屈だ」と申していたので、

「じゃ、黒田さんを一方的に知っている人間を日替わりで見舞いに行かせましょうか?」と言うと、笑っていたので皆さんお見舞いに行ってあげてください。

多分甘い物を大量に差し入れれば問題ないかと・・・・

が、敢えて病院名は書きません。本当に行かれたらワタクシ殺されますから・・・

お大事に。一日も早い復活を期待しております。

by craphead | 2009-11-13 03:12
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